壱岐対馬国定公園（牧崎公園）日本百名洞「鬼の足跡」の穴の中で見た“奇跡の光景”

牧崎公園の縦穴「鬼の足跡」

地面に、でっかい穴が！？

人間が米粒のようだ！まるで“天空の城ラピュタ”の世界みたいだね。見える？ほらあそこ。芝生の地面に、ぽっかり空いた穴。人が歩いてる。なんだか不思議な穴だね。あの穴は「鬼の足跡」っていうんだって。

というわけで今回は、あの巨大洞穴の中がどうなっているのか潜入レポートしてみたいと思う！そこで見たのは、驚くべき光景だったんだ。

鬼の足跡

鬼の足跡（牧崎公園）

長崎県壱岐市、壱岐島の西の端に、海の浸食作用により出来た巨大な洞穴がある。天然の芝生に覆われた広大な岬に、突如ぽっかりと縦穴が開いていているのだ。大きさは直径53m、周囲110m。玄武岩海蝕洞として、最大級の規模を誇る。その穴は中で横へ伸び、海へと続いている。この洞穴は『鬼の足跡』と呼ばれていて、「日本百名洞」に選出されている。壱岐市を代表する観光名所だ。

牧崎公園の縦穴「鬼の足跡」

鬼の足跡の言い伝え

地元では、この洞穴は“鬼（デイ）が鯨を捕るために踏ん張った時に出来た足跡である”と言い伝えられている。ちなみに、もう片方の足跡とされている洞穴が、壱岐市勝本町辰ノ島の「蛇ケ谷」にも存在する。

壱岐対馬国定公園（牧崎公園）

壱岐対馬国定公園

この界隈は、壱岐島の東シナ海側へ大きく突き出た半島の先端に位置する。海に面して約30mの高さの海食崖が連る景勝地だ。魚釣りの場所としても有名。牧崎園地（牧崎公園）※壱岐対馬国定公園（S43年7月指定）

鬼の足跡の夕日

鬼の足跡と夕日

ここ「牧崎園地（牧崎公園）」では、水平線に沈む雄大な夕日を見ることができる。特に春分、秋分の日には、夕日が「鬼の足跡」の横穴から差し込む幻想的な景色が見られるという。

牧崎公園の夕日

場所：長崎県壱岐市郷ノ浦町渡良東触 付近
2013年8月28日、NPO法人日本洞穴探検協会　日本名洞委員会において、「鬼の足跡（牧崎）」が日本百名洞に選出された

牧崎公園の縦穴「鬼の足跡」

穴の底を目指すぞ！

ほぼ垂直の縦穴の大きさは、直径53m。草木がこびりつくように生えている。どうやら、最近空いた穴ではなさそう。

牧崎公園の断崖

周辺は断崖絶壁の海

周辺には海が広がっていて、波に侵食されて出来た、約30mの高さの断崖絶壁が入り組んでいるよ。ここ壱岐の島には、この丸穴に関する驚くべき逸話が残っているんだ。「その昔、鬼がくじらをゲットしようと踏ん張った時に出来た足跡である」

【動画】鬼の足跡でぐるっと

鬼の足跡

穴をのぞきこむと…

うーむ！“鬼の足跡”にしては、でっかすぎるよ！…横穴が海に繋がっていて、海水が入り込んでいる。まるで橋のようだね。波の浸食作用で先に横穴がほじれて、いつしかその天井が崩れて、縦穴が出来たんだって。なるほどね！

鬼の足跡の危険な道

柵が全くない！？

横穴の上を渡ってみた。とっても危険だね。注意が必要。柵もなく、自然のままだ。やっぱり、中へは降りられないのかな。深さは、だいたい15〜20mくらいかな。もし落ちたら、ひとたまりもないね。

鬼の足跡の上から

降りられるのか‥？

でも一箇所だけ、頑張れば降りられそうなルートを見つけたよ。もちろん、垂直の壁に張り付くようにして降りていかなければならないけど。そして…。（※大変危険です。決して真似をしないでください）

鬼の足跡の穴の中１

足が震える‥慎重に…慎重に…

途中で立ち往生しそうになって、ゾッとする場面もあったけど、なんとか無事に穴の底へたどり着くことができた。見上げれば、穴の上を雲が通過していく。あそこから降りてきたんだよ。

鬼の足跡の穴の中２

まるで、ダンジョンの

穴の底には、不思議な空間が広がっていたんだ。横穴から、水平線が見えているよ。波の音と、吹き抜ける風。ファンタジーの世界に迷い込んだみたい。

鬼の足跡の横穴

鬼の足跡の穴の中

▼穴の中の360°パノラマビューをご覧ください。
鬼の足跡（壱岐市、牧崎公園）の穴の中の360°パノラマビューで見る

鬼の足跡の穴の中４

そうこうしているうちに…

差し込む夕日

赤い光が差し込んできた

気付けば、横穴から夕日が差し込んでいた。そういえば、「鬼の足跡」はある時期に限って、夕日が突き抜けるという話を聞いたことがある。もしかして、この事？

鬼の足跡の穴の中へ差し込む夕日上から

そこで見た、奇跡の光景

横穴をのぞき込むと、ちょうど水平線へ沈む夕日が見えた。この時、夕日は完全に横穴を貫通したんだ。光の筋が輝きながら、穴の中を通ってここまで届いているよ。

鬼の足跡へ差し込む夕日

夕日が横穴を貫通する

海面がキラキラしてきれいだ。夕日はみるみる沈んでいく。たった数分間、年に２回（春分と秋分の日前後）に起こるこの現象は、とても貴重なことなんだ。

鬼の足跡へ差し込む夕日

自然が創りだした運命とは

どうやら、今回のレポートはとっても運が良かったみたいだね。毎年季節は巡り、毎日太陽は沈む。風が吹き、波が起こって、岩が削られ、穴が開いた。途方も無い時間を経て、今ここにある光景は、偶然かな？それとも必然？…それはもはや愚問なのかもしれないね。

鬼の足跡へ沈む夕日

【動画】鬼の足跡（牧崎公園）日没　日本百名洞の中から

それはそうと、“鬼の足跡”っていうけど、足の大きさからしてちょっとでっかすぎるんじゃないかと思うよね。まあいっか！みんなも壱岐の「鬼の足跡」へ足を運んでみるといいよ！きっと、楽しい思い出が出来るはず。そのとき、もし素敵な写真が撮れたら、 コバルトくんに見せてねっ。

というわけで、今回のレポートはこのへんで終わり。実は、10km以上離れた場所、無人島「辰ノ島」に、もうひとつの「鬼の足跡」があるんだって。それは、またレポートするからお楽しみに！この周辺には他にも、でっかいゴリラ「ゴリラ岩」があるから、チェックしてみるといいよ！では、最後までみてくれてありがとう！またねっ！

夕日２

急に暗くなったよ　※危険！

日没を見送った瞬間から、穴の中は急に暗くなった。慌てて穴を出たよ。穴の底でどうすることも出来なくなるからね。良い子は絶対に崖に近づいちゃダメだからね！（※レポーターは特別な訓練を受けています）

牧崎公園のゴリラ岩

地図・アクセス